PDF-FD =血液成長因子フリーズドライ

患者さん自身の血液を遠心分離し得られる血漿の中から、Plasma Derived Factors =血清由来の成長因子を抽出し関節内に注入する治療法です。血小板には止血作用があることが知られていますが、その他に種々の成長因子やサイトカインが豊富に含まれており、除痛・組織修復および抗炎症効果があると言われています。当院では血小板が放出する成長因子を活性化・無細胞化し、濃縮したものをさらに凍結乾燥(フリーズドライ)したものを使用して治療をおこないます。

こんな方におすすめ

  • 色々な治療を受けてきたが効果がない
  • 入院や手術は避けたい
  • 効果が長く続く治療を受けたい


変形性膝関節症に対してヒアルロン酸の関節内注射(保険診療)が一般的ですが、当院におきましてもまずは保険診療による治療をおすすめしております。
手術治療に次いで PDF療法( PRP療法 )は高い効果が長続きするというエビデンスが世界で多数報告されており当院では変形性膝関節症に対してPDF-FD療法という選択肢を準備しております。
自身の血液を利用する安全な治療方法ですので、ステロイド注射のような軟骨破壊や感染症といった合併症の心配がありません。糖尿病をおもちの患者さんにもおすすめしやすい治療方法となっています。

治療の流れ

治療は外来でおこないます。
腕から50mLほど採血し、血液は許認可を受けた専門の業者に送られ、抽出されたPDFをフリーズドライ加工(FD)します。採血日から約20日後にPDFーFD製剤(3mL、2バイアル)が納品されます。

採血日に次回受診日(21日以降)を予約していただき、予約日に関節内にCPRPーFDを注射します。なお、CPRPーFDは半年間保存可能なので、1バイアル(3mL)を2回に分けて注射することもできますが、1回で2バイアル使用することが推奨されています。

治療後は安静が必要?

治療後は普通に歩いてあるいは運転して帰宅することができます。日常生活は通常どおりにできますが、スポーツは1週間控えて頂きます。なお、当日は感染予防のために入浴は避けシャワー浴になります。

効果は?

効果は年齢や関節症の重症度によって異なります。PDFには軟骨組織を増殖・産生させる効果はありますが、PDF自体が軟骨になるわけではないので、既に軟骨が広範に摩耗・消失していたり高度の変形があるような症例では効果は限定的です。

PDF-FD治療の良い適応は、鎮痛剤の内服やヒアルロン酸注射などを受けたが効果がなく、医療機関で手術の適応があると言われたが手術には抵抗がある、あるいは家庭・社会的事情などで手術が受けられないといった方で、軟骨が比較的残存し変形が軽度な場合です。また、このような難治性の関節症では顕著な筋力および柔軟性の低下を伴っていることが多く、それらの改善も必須と考えています。

上記のような理由で、治療の効果は変形性関節症の重症度が軽度・中等度では70%弱、重度の場合には50%前後に低下し、全体としては50~80%とすべての患者さまに効果がある治療方法ではないことをご理解ください。

合併症は?

合併症はヒアルロン酸など一般的な関節内注射と同様です。治療直後から数日間、一過性に腫れや痛みが増悪することがありますがアイシングで軽快します。ご自身の血液を使用するため、アレルギーや感染の可能性は極めて低く、安全性の高い治療です。

PDFーFD 料金

1セット(2バイアル) 128,000円(税込)

本療法は医療費控除の対象となることがあります。詳しくは担当の税理士か管轄税務署までご確認ください。